あわい と おもい

映像作品「あわい と おもい」を企画制作しました。この映像は、新型コロナ感染症の蔓延が問題になりはじめた頃に制作したものです。わたしたち自身は何も変わらなくても、周りの環境が変わってしまえば、わたしたちはこれまでの様にいられなくなる。どんな人でも無力になる人間の弱さを痛感し、映像で表現しました。

人と人の間にある「あわい」を表現

書家の栗原光峰氏から、書にはふたつの間があるという話を伺いました。
ひとつは、墨のグラデーションで、墨汁の黒と紙の白の間に無限のグレーがあるという話。
もうひとつは、一筆目を紙に置いた瞬間から、紙の空間で筆がどのように伸びて、次の二筆目以降をどこに置くか全てが決まるという話。

この話にインスピレーションを受け、作品テーマとタイトルが決めました。
人はひとりで生きていくのは辛く、自分以外の他者を必要とします。そして私と他者の「間」には関係性であったり、環境であったり、空間であったりと、二者以外の要素である「あわい」が存在します。二者はなんらかの思考の元に日々を過ごしているので、その人の思考を想い「おもい」とタイトルにしました。言い換えるなら「環境と人」です。

書について

どんなことも止まらず、移り変わっていくのが世の常なので、「生々流転(せいせいるてん」と書いてほしいと依頼しました。すると栗原氏より、もっと人の想いを込めたいということで「悉想(ことごとくおもう)」が足され「生々流転悉想」となりました。

出演

書家 栗原 光峰
尺八 山崎 箜山
箏 宮本 直美

制作スタッフリスト

企画/脚本/撮影/編集 岡 浩平
撮影/タイトルアニメーション 馬場 祐吏
タイトル書 栗原光峰

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